ビタミンB群とは?実は種類が多いビタミンB群の栄養素について細かく説明。

栄養学

今回はビタミンB群全種類の栄養素について説明したいと思います。

下記で使用している表は「日本人の食事摂取基準」(2020年版)から引用しています。

ビタミンB群とは?

ビタミンB群には8種類の栄養素から構成されており、エネルギーを作るのに欠かせない栄養素です。ビタミンB群はまとめて摂取するのが望ましく、単体のみでは効果が出にくくなっています。ビタミンB群は水溶性ビタミンのため水に溶け、水と一緒に移動することから余分に摂取しても体内に残らず尿中に排泄されます。

種類

ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類で構成されています。

働き

ビタミンB群の主な働きは体内でエネルギーを作り出す「エネルギー代謝」を助ける働きがあります。私たちの体は食べ物に含まれている三大栄養素であるタンパク質・脂質・糖質の3つの栄養素からエネルギーを取り出しています。ビタミンB群はこの三大栄養素からエネルギーを取り出す際に、効率良くエネルギーを取り出せるよう助ける働きがあります。ビタミンB群が不足しているとエネルギーの取り出しが上手くいかず、疲労の原因にもなると言われています。

ビタミンB1

ビタミンB1はチアミンとも呼ばれるビタミンです。食べ物に含まれる糖質からエネルギーの取り出しを助ける働きがあるビタミンです。正確には糖質の分解を助ける働きがあり、糖質を多く摂取する量とビタミンB1の働く量が比例しており、不足しやすくなっています。また脳は、糖質が分解されてつくられるブドウ糖をエネルギーとして使用するため脳の機能を正常に保つためにはビタミンB1が必要不可欠であると考えられています。摂取基準は以下の表のとおり。

ビタミンB2

ビタミンB2は 食べ物に含まれる脂質からエネルギーの取り出しを助ける働きがあるビタミンです。皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生に役立っています。「発育のビタミン」とも言われ、発育促進に重要な役割を果たしています。ビタミンB2が不足すると口内炎、口角炎、舌炎、角膜炎などを引き起こします。成長期の子供の場合、不足すると成長障害を起こします。摂取基準は以下の表のとおり。

ビタミンB6

ビタミンB6は約100種類もの酵素の働きを助ける役割があります。特にタンパク質の構成要素であるアミノ酸の代謝を助ける重要な役割を果たしています。また腸内細菌によって一部私たちの体内でも作られています。筋肉量を増やしたいトレーニーはタンパク質の摂取が多くなるため、タンパク質の分解、代謝をする量が増えるためビタミンB6の摂取量を増やす必要があります。ビタミンB6が不足すると肌荒れをはじめとした皮膚炎、口角炎、舌炎の症状などが現れます。また、免疫力の低下や、貧血や聴覚過敏などの悪影響が生じる場合もあります。

ビタミンB12

ビタミンB12は同じビタミンB群の葉酸とともに血液を作り出すのに重要な役割を果たしています。またビタミンB12は神経の機能を保つ作用があります。さらに動脈硬化の危険因子とされる「ホモシステイン」(ホモシステイン:アミノ酸の一種。「メチオニン」が代謝されることで生成されます。)の血中濃度を正常に保つ働きもあります。腸内細菌によって作り出されることもあるため不足はしにくく肝臓にも貯蔵されています。万一不足すると貧血を招くことが知られています。他にも神経障害により手足の痺れや、記憶障害、うつ病などの症状が現れることもあります。

ナイアシン

ナイアシンはたんぱく質、脂質、糖質を燃やして(代謝)エネルギーを取り出す時や、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解するときに使用する「酵素」の補助である「補酵素」としての役割があります。皮膚や粘膜の健康維持や脳神経の正常に作用させる効果があります。不足するとうつ病、幻覚症状、精神障害、口内炎、皮膚炎、胃腸障害、下痢などの欠乏症状が現れます。

パントテン酸

パントテン酸はたんぱく質、脂質、糖質を燃やして(代謝)エネルギーを取り出す時に使用する「酵素」の補助である「補酵素」としての役割があります。また、免疫抗体の合成、薬物の解毒作用、脂質の代謝を促すHDLコレステロールの増加、ホルモン合成(副腎皮質ホルモン)によるストレスの耐性などの作用があり、体内で少量合成されています。不足すると、手足の知覚異常、痺れ、頭痛、疲労、食欲不振などの欠乏症が現れます。

ビオチン

ビオチンはたんぱく質、脂質、糖質を燃やして(代謝)エネルギーを取り出す時に使用する「酵素」の補助である「補酵素」としての役割があります。抗炎症物質を生成するので炎症を防ぎ、アレルギー症状等を和らげる働きがあります。この抗炎症作用からビタミンHとも言われています。不足すると、皮膚炎(鱗状)、萎縮性舌炎、食欲不振、むかつき、憂うつ感、性感異常、前胸部の痛みなどが欠乏症状としてあります。

葉酸

葉酸は同じビタミンB群のビタミンB12とともに血液を作り出すのに重要な役割を果たしています。赤血球を作り出すので「造血のビタミン」とも言われています。妊婦に必要な栄養素としてよく知られている栄養素ですが、その理由としてDNAや核酸、たんぱく質の合成促進し、細胞の生産・再生を助けることから胎児に正常な発育促進させるために重要な栄養素です。女性は妊娠前から産後にかけて摂取することが推奨されます。不足すると、貧血、神経障害、腸機能障害、口内炎、皮膚異常、動脈硬化などの欠乏症状があります。

まとめ

最近のサプリメントではこのビタミンB群の8種類から単体の栄養素のみ販売されているものも多く見受けられるが、ビタミンB郡のなかで似た働きをするのもあり、単体で摂り過ぎると同じ働きをもつ栄養素との間に偏りが見られることもあるため基本的にはビタミンB群での摂取を私は推奨します。またビタミンB群は水溶性ビタミンであるため過剰摂取による報告がない栄養素もありますが、基本的には国が報告している「日本人の食事摂取基準」(2020年版)に従って量に従って方が良いでしょう。ビタミン群にはエネルギー代謝に関わる重要な栄養素です。バルクアップ中、減量中にもエネルギーを効率的に摂取するためにマストに必要な栄養素ですので皆さんもこの機会にビタミンB群を摂取してみてはいかがでしょうか?下にリンクを貼っておきます。皆さんのライフスタイルにフィットネスが良い刺激となりますように。

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